鬼平犯科帳感想
長谷川平蔵には隙がない。女心まで事細かにわかるのか。おまさの気持ちを汲みつつ悪党を許さない。判断が絶妙。そして口合人の立場にも理解を示す。盗人への義理立てと平蔵への義理立てを理解したうえで、つらかったろうと声をかける様は涙が出る。ラストシ…
鬼平の見どころは人情の機微が絶妙に表現されているところだろう。本も少しだけ読んだけれども、話自体は読みやすくて分かりやすい。でもその中にはちょっとした心の苦悩が必ずある。そしてはっきりとではなく、それとなく婉曲に表現されている。さらに中村…
欲が強いと取り越し苦労をするもの。ましてやそれで死んでしまっては滑稽というもの。万衛門と利平とおていの3者三様の考えが交錯する。欲で目がくらむことなく正しい判断を行いたいものである。
松吉と親父の盗人二人組がお縄になる。親孝行者の松吉は親父のためにすべてを吐く。その後の松吉はおかみの犬として働き、親父は病気でただ飯食らい。何も知らない妻をめとって平穏な日々と思いきや… 盗人の誇りを捨てきれない親父が、昔の親分からお勤めの…